『絶対の声』

 比較、対立を超えたもの、必至である。

 バラ一輪。
 バラ一輪を描いた各色を混合させたベタで背景を処している。薔薇は薔薇を模る配色(世界)で成り立ち、それ以外ではないという宣言である。

 孤立、そのもの自体の存在がすべてであり、他をおもねらない。個の優位ではなく、個の絶対である。

 わたくしはわたくしであり、断じてわたくし以外ではない。わたくしへの信奉、自立、わたくし自身への愛は、絶対不可欠な存在理由である。

 写真は『ReneMagritte』展覧会カタログより