『会話術』

 REVE(夢)、岩石が刻まれ積まれた形で文字の態を為している。人為、しかし人は見えず茫漠とした広原。

 遺跡だろうか、かつて人(叡智)が存在したのだという記憶。しかし、これを誰が見て認識するのだろう。少なくとも古代ではなく未来である。地球は存続していると思われる超未來の果て。

 古代文字の解明、この状況に現代人に似た人類は存在しているのだろうか。何もかも果てた終末に残存する文字(意味伝達)の形態。

 REVE(夢)の文字が通じる世界なのだろうか、意味の伝達がなければ単なる岩石の積載に過ぎないが、確かに見える人為の痕跡。砂の数、星の数ほどの年月を経た超未來を夢想する。

 夢は存在するが、実態は非存在である空漠。
《在るが無い、無いが在る》
 遥かなる展望を凝視するマグリットの眼である。