
オルメイヤーの愚かな城・・・枝葉もなく空洞の宮殿。積み上げた城壁、小窓。旧跡というにはあまりにも寂しい。
しかし、この異常とも思えるほど伸びた根幹は何を意味しているのだろう。
大木の根、かつて支配されていたであろう数多の衆ではないか。
宮(城)は滅びても、その下、圧政に苦しんだかもしれない民の息は絶えず生き延びている。枯れ得ず生息、息を吹き返す力を秘めているのではないか。国破れて山河ある如く、有るべくして存在する自然や民の力は黙したまま生きている。
もしかしたら、宮(城)の崩壊、破滅は数多の根(大衆)の逆襲であったかもしれない。
写真は『ReneMagritte』展覧会カタログより