義兄の嫁さんは旅役者一座の生まれだった。座長の父親が年を取ったので、横須賀の地で落ち着いたという。
 几帳面で何でも物を大切にし義兄のこともお殿様扱い(そこまでしなくても・・・)。

 そんな義姉、「小さいころね、三つやそこらの女の子が舞台に立って歌を唄うとね、おひねりが飛ぶの。我が家はそれで食べていたこともあったわ」と言った。
 バスガイドになった義姉は歌が得意で誠実な人だった。
 夫の姉の悦子さんは「ヒロちゃんと呑みに行くとね、どこからかお酒が出るの。唄が上手だから」と喜んだ。

 そんなヒロちゃんも悦子さんも今はもういない。