
『夢』
空想、実在しないものである夢。
被うこと無き裸身、左手にはバラの花を持っている(捧げているのではない)。
愛、秘かなる愛を放つことなく持っていてくれる妻、ジョルジェットに違いない。
彼女は岩に手を添え、支えられている風情である。信仰だろうか彼女を支えるものは。
影はベタでなく彼女そのものである。影日向なく、何時の時も彼女自身であり何ら被い隠すものが無い純粋さを貫いている妻である彼女の本性を見抜き感謝の念で描いた肖像だと思う。
愛の深さ、黙して付いてきてくれる妻への厚い気持ちであることは間違いない。何をかいわんや…鑑賞者は敬意をもって照れてしまう。
写真は『ReneMagritte』展覧会カタログ