『不思議の国のアリス』

 アリスはどこ? アリスは描かれていないが、タイトルは『不思議の国のアリス』である。
 樹は擬人化され、眼鼻がついている。
 雲に紛れた(擬人化)洋ナシは(どうぞこちらへ)と樹を誘っている。海(湖)・山・空は不思議な彩色であり、現実離れしている。

 この景色は明らかに異様である。雲(洋ナシ)は樹のあいだから(至近)誘い込んでおり企みのある眼差しである。

 動けない樹の定めと柔軟な変化を見せる雲の関係、絶対という宿命。
 絶対という物理法則から外れたアリス。地下の世界の夢幻。
 根の穴から誘い込んだ樹に対抗しているのだろうか、次回はぜひ天上へと。
 アリス自体に変化はない、周りの世界が自在に変換し錯覚を生じさせている。the other world の不思議。

『不思議の国のアリス』、アリスは幻を見たかもしれないが樹の穴(地下の世界)から解放されている。
この次は是非(天空の世界)へと誘う雲、アリスを廻る《地下vs天空》の態かもしれず、何も知らない樹の眼差しは困惑気味。
『不思議の国のアリス』に続編があるならばというマグリットの仮定である。

 写真は『ReneMagritte』展覧会カタログ