
『快楽』
これはいったい何なんだ? 不可思議な画である。
少女は何かを食べている、鳥の生肉? これはない、真っ白なレースで装った少女の残酷。
少女は少女だろうか、長い髪の毛、礼装・・・しかし顔を見ると意識が朦朧とし正気さを欠いた表情に見える。肩の辺りは男のようでもあるし顔も女という断定には外れている。
一見女性に見えるこの者は《男女合一》の態を醸している。
男・女の合体、生血・・・これは正しく(結婚の儀式)の暗喩ではないか。
背後の樹の枝には4尾の鳥が見える、見ているような目を反らしているような気配である。
この4尾は結婚する男女の両親✖2ではないか。
『快楽』快く楽しかるべき儀式の内実、快楽、第二の人生の幕開けの酷い実情である。
写真は『ReneMagritte』展覧会カタログより