76才と言うと相当な年寄りである。
 そうか、そんな年になったのかと感慨深いものがある。母は65才、祖母は72で他界。もう余禄の領域であれば、何をしても構わないという横柄自堕落な気分になる。(どうせもうすぐ死ぬんだもの)

 わたしが悪い?
 そうか、そうかもしれない。
 自分の無神経を省みて思う。若いころのように明日謝れば済む問題ではなく今日、身を正していかないと末期を汚すことになる。
 今は末期なのだという自覚、最期の一歩はどんな意気地なしでも一人で逝く。薄汚れた後悔を纏ったままでは死ねない。身辺整理の侘しさ・・・恨まず嫉まず自分を勘定に入れないで生きられたらと思う。

 幽霊みたいなものだもの、執着はない。