『人間嫌いたち』

 低い地平線、聳え立つカーテンの羅列。
 よく見ると、中空、上からの俯瞰と複数の視点があることに気づく。

 『人間嫌いたち』の本質、遮蔽(カーテン)であり《わたしを見るな》という命である。

 カーテンは重力に因り下がるもの、地上に落ちるゆえ形の保持は難しい。そのカーテンが吊り下げられることなく直立しているという態は想像の域である。

 カーテンそのものが人間嫌いとして擬人化されている、されつつ遮蔽の列をも組んでいる。ずっと後方に樹木がのぞいているが、カーテンの樹立に比べ薄い存在感である。
 樹木(自然)をも超越する雄々しさ、嫌うことは隠れることではなく、むしろ主張・信念の強さである。
 好むというのは同意・共感の服従的弱さをも孕んでいるが、『人間嫌いたち』の剛毅はある意味人間性を失ってもいる。
 好き・嫌いの対立は世界を二分する。

 写真は『ReneMagritte』展覧会カタログより