有終の美という言葉がある。
 果たしてそんな終末・結末はあるのだろうか。

 施設に義兄夫婦を見舞った昨日は劇的なほどの突然の雷雨。探し当てた施設はこじんまりとした建屋だった。甥に誘導されてはいった部屋はベットとテレビ…他には・・・来客用の椅子。

 何も持ち込めず身一つという感じである。
 外国との通信を愉しみ、写真を愛した義兄はもはや歩くことも出来ないほど衰弱していたが、白く痩せた顔に笑顔を浮かべてくれた。
「早く元気になって写真をいっぱい撮って見せてよ」と言うと、淋しそうに笑った。別室の義姉も入室し「そうだよ、そうだよ」と促す。


「実は・・・」甥が夫婦仲の悪さを漏らし、「困ってるんだよ」と。
 ああ、無常。何か少しのことで行き違っても修復する手立てに追い付かずすれ違ったまま。

 こんな風に人生は閉じてしまうのだろうか。真善美、真だけは確かに在る。