『自由の入口で』

 室内はマグリットの作品がパネルとして壁を被っている。
 手前にはそれを撃ち抜かんとする大砲が在る。

 8種類のパネルにはそれぞれマグリットの強い思いや主張が隠れている。延長線上にはまだ他にもあるという可能性を残した空間である。

 『自由の入口で』は入口であって自由な世界(解放)ではない。鬱屈した不自由を払拭すべく大砲が置かれている。大砲は打ち抜くというより《破壊》である。
 自身(マグリット)は自身の主張、思惑をも超えた世界を望んでいる。

 写真は『ReneMagritte』展覧会カタログより