
『目』
黒い面に円形の穴があり、そこから覗く『目』。
《見る》という行為、見えるから見る、ごく自然の行為の発露は関心という焦点に絞られることもあるが、空間のありようを察知するためでもある。
目という器官は即、脳に情報を伝達する。
周囲の存在と自分との距離を測る装置は危険を知らせる導きであり、前進を誘導する。目は身体の穴であり、開閉は自由である。
物理的に物(周囲)を感知する機能は常に物(周囲)との距離を測り身体の動向の許容範囲を知らせる。
目は見る器官であるが、見られていることを知る機関でもある。見ることは見られることに等しいが、見るという主体は自分を優位に置くので、外界に目を瞑る(たち切る)事も可能である。
しかし見られていることに因る情報の流出を防ぐことは困難であり、見られることは見ることと同等の力関係であることを認めざるを得ない。
目における神秘は精神界の奥底まで支配する器官であることは周知の事実である。
写真は『ReneMagritte』展覧会カタログより