「わたしなんかもう四十になるのよ」と悲観した口ぶりで友人に話すと、
「あら、わたしは四十二よ」と答えたサークル仲間。

 あれから三十余年、サークルは淡々と続いている。講師が亡くなり次の講師も高齢のためお辞めになった。残る仲間は顔合わせぐらいの感じで通い詰めているサークル。

「元気だった?」「まあね、癌の再発は免れているけど・・・」「膝に人工関節を入れたわ」「怖いわ、だいじょうぶ?」「まあね」
「薬をとんでもない数飲んでいるわ」「あら、わたしなんか〇〇よ」「・・・」
「最近は腰が痛くて」「わたしも」「わたしも」みな御同輩。

 七宝焼、手を動かさず口だけを動かすサークルと化している。
 昔馴染みの心地よさだけど、月いち集うサークルも危うい状況である。

(Kさん、出てこれるかな)
 サークルのメンバーも並べて齢を重ね、労わり励ましあって臨んでいる。