
『田園』
画面を切り抜くように木の枝が伸びている、木の枝だろうか…地中に埋まった木の《根》にも見える。
やや湾曲しながら走る横の線は《地層》のようである。
そして奥に見えるのが《田園》、樹木のかなたの平地は明らかに人の手による開墾、まさしく田園そのものである。
この重層は何を意味するのだろう。
垣間見せる世界の成り立ち、歴史の大いなる総括。田園は人の生活そのものであり、憩いの場でもある。
ただ不思議に無機的で人の気配を削除している。
原始~現在~未來、人類なき後にも地上(地球)は存在し続けるというメッセージかもしれない。磁石が北を指すことの常も永遠ではない、逆であった事実は地層にも刻まれている(チバニアンなど)
現時点という時空の一点に生きていることの不穏。世界は緩やかに動き、その渦中の在ることへの認識『田園』は静かにそれを提示している。
写真は『Rene Magritte』展覧会カタログより