
『巨人の時代』
強姦の図である、大きく太い手で男を押しのけている。女の表情に愛の片鱗、恍惚は皆無である。
性行為の力関係、犯される女の立場を強力な防御で巨人と称し時代(日々)と呼ぶ。この残酷な無念をマグリットは描きつつ、男の正体を女の姿(シルエット)の中に溶解させている。
一方的、強い男への復讐はさりげなくも愉快な手法、痛快さを秘めている。
決して語られることの無い内密の復讐劇はこの画に封じ込められ葬ったのではないか。触れてはいけない、語ってもいけない密かな空想はマグリットの憤怒かもしれない。
(母の死因・・・は空想の域を出ることはない)一つの物語がある。
写真は『Rene Magritte』展覧会カタログより