
『嵐の装い』
擬人化された切り紙が数体(六体)、暗黒の海高波に難破した船を見ている、否、見ているようであるがその確証はない。
つまり人型の切紙に前後を判別する手掛かりがなく、人だという確証すら曖昧であるが、人にしか見えないものが海を見るかに立っている。こちら(手前)は現世ではなく不確定さゆえ冥府だと推定される。
すべてが鑑賞者の随意な想像に委ねる画である。ごく一般的な感想としてあの世に逝った人たちが冥府に向かう人たちの嵐を危惧している。(客観視しているともいえる)
要するにこちら(冥府)の人間にはどうにもならない光景を出迎えているかの光景である。
冥土、三途の川、賽の河原・・・現世と冥府をつなぐ海(活性を妨げる水)である。
擬人化された切り紙は永遠・永続の模様を身に着けている。冥府の装いは《永遠・永続》への誘いかもしれない。
写真は『Rene Magritte』展覧会カタログより