
『高みへ』
設置場所がよく判らないが、何か《大いなる意思》を感じる作品である。
写真からの情報なので、硬質の石を刻んだ角度を明確に推し量ることが出来ないけれど、全体は前のめりに感じる。それを押して後方への上昇エネルギー(力)が圧倒する。
この攻防の微妙なバランスを孕んだ石という素材の持つ圧倒的な重量感は動じることのない安定を示している。
個々の石は断続的な連鎖で面(二次元)を形作っている。切り離されているが繋がる面であることは明らかである。つまり個は全体であり、全体は個である関係性を保つ。
中心の高みにある鋭角を刻む石は象徴のようでありつつ、寄せ付けない(拒否、否定)と同時に敬意と気高い品位を潜在させている。
この作品を眺め近づくことは可能であるが、決して安らぎ寛ぐ安直さを持たない。(もちろん遊具などのような要素はない)
震撼とする。
普通の光景に見えて畏怖の念を抱かせる、空前絶後の無二、有り得ない景色の現出である。
写真は日経新聞『対話する野外彫刻・十選』西山重徳より