この構成は何だろうと考える。手前の白いデスマスクは唇だけは赤く色づいている。これは何を暗示しているのだろう。赤は血の色であり生命、生きていることを示す。口が生きている、言葉が脈々と伝えられていると考えられる。
 しかし後者(霊体、既に霊界に来た人)とは隔てられている。円盤のようなものは隔絶であるがそれをつなぐパイプは白いデスマスクの前で直角に曲がっている、つまり留まっている。
 パイプは連鎖、伝達であり後方に延びているように思われる。(可能性としの切断の有無は測れない)

 実に不可解な画であるが、端的に考えて《死者は神のもとに召される》。この時空については壁の均等な間隔から推して《永遠》を暗示し、白いデスマスクを《神》として置いていると思われる。崇めるというより(死の先に存在するもの)としての頂点たる神である。

 しかし『彼は語らない』、肉声としての声は無いということで有る。

 写真は『Rene Magritte』展覧会カタログより