
『各階に水とガス』
『与えられたとせよ:(1)落ちる水、(2)照明用ガス』と同じ声明である。
生きとし生けるもの総てはこの条件の恩恵の基に存在している。ここに生命の発端があり、原初がある。
《生きる》ことを問う前提条件は動かしがたく以上でも以下でもない。
(各階に)とは当然のこととして、当たり前である《平等》を静かに語りかけるものである。
すべてに・・・人種や貧富の差なく、LGBTQはもちろん、ジェンダーレス、ジェンダーフリーであるべき世の中の《水と光》のライフラインは必要不可欠な必須条件である。
生命の神秘を問い、生命維持の必要十分要件を満たすことへのデュシャンの確たるメッセージは今なお新しく、普遍である。
写真は『DUCHAMP』TASCHENより