『与えられたとせよ:(1)落ちる水、(2)照明用ガス』

 原初、水(落ちる水)と光(照明用ガス)が有り(与えられたとせよ)、ここから人類の歴史が始まったのである。
 《遮蔽の戸》
 レンガの囲い(日干し煉瓦)、張られた板(木の加工)、留め具の鋲(鉄)などは《ここより以前(覗き穴から見る景色)とここより以後(こちら側に立つ鑑賞者)》の区分けである。

 覗き穴から見る光景は《人類の原初》であり、裸身の女性が大股開きであおむけに寝そべっている。ガス燈を空に向けて持ち、側には水(川・池・湖etc)や木々の光景。
 人類のDNAは原初女性だと言われている(アフリカ)。

 総計、原初たる所以を覗き穴から垣間見ることで展開させた作品であり、原点からの拡散を視野におさめたものだと思う。蓄積された時間と空間を凝縮したものであり問いである。

 写真は『DUCHAMP』TASCHENより