
『泉』
男女の差異、決定的な相違を目前に突きつける作品である。
男とは・・・『泉』、男子用小便器は女性は使用不可、使用しようと試みても絶対にどうにもならない姿勢を要求される形態である。
(今も)当たり前に据えられている小便器。善悪という範疇ではないが、(女性にとっては)精神的・物理的に拒否せざるを得ない形態は男女間にある《差異》を浮上する。
身体の構造は明らかに相違があり、DNAは間違いなく連鎖していくように見える。変異(突然変異)を認めない常識の括りは人の意識を拘束し低下させる。
デュシャンの問題提起は沈黙のうちに作品を差し出すことで鑑賞者(社会)に返答を求めている。真の自由とは何かの叫びをあげている。
写真は『DUCHAMP』TASCHENより