
『L.H.O.O.Q』
モナリザの複製画に鉛筆で髯を加筆している。
モナリザは女性であるという通念を除外あるいは知らなければ、これは男性とみる向きが多いのではないか。顔に髯をつければ男性になるというのも又通念に過ぎないかもしれないが。
確かにホルモンの関係で顔に髯が生えやすいのは男性に違いなく、生理的現象はおおむね判別に寄与している条件でもある。
たかが髯、されど髯である。
決定的とも思える差異は男女の区別を明らかに表面化する。しかし(たかが髯、されど髯)など表面的なことに過ぎない。消せばいいし、付ければいいと考えれば同等である。
男女の外観は損なうことなく平然と入れ代わり街行くことに抵抗は無い。髯の有無は神様の悪戯に過ぎないかもしれない。
写真は『DUCHAMP』TASCHENより