《地表面の耐久性について》

 厚い鉄板が太い鋲で地表に打ち付けられている。地表に出た円筒形(半分は地下だろうか)の連鎖、方形を積載した建屋…人為的な構築物を縮小した世界観である。

 決して破壊されることのない景色である。技術の粋を尽くした頑強、守り・・・。

 しかしそんなものが何になるだろう、地下の底知れぬ深さ、核を秘めた地中の猛威は無言である。地表面が対抗しうる術を持つことなどありえない。

 しかし、それでもなお生きねばならない地表面の防備、人為の最大限の抵抗は虚しい。大いなる抵抗は日々生きる人類(生物)の哀愁でさえあるかもしれない。
 それでも生きる! それが地表面における決意であり、作品は寡黙にもそれを提示している。

 写真は若林奮『飛葉と振動』展・図録より