
3.25mのクロバエの羽
羽の面影はない、中心線を挟んだ左右対称のものが並列、四角の水槽・・・。
要するに水没させたクロバエの羽であり、宙を飛ぶクロバエの死を意味する。
クロバエの成虫は動物の死体、人畜糞、塵芥に産卵、幼虫はそれらを食べて成長する。細菌やウィルスなどの病原の運搬者であるクロバエは衛生上の問題の源であり、生物(人間・家畜・鳥類など)の脅威の根源である。疫病は世界をも滅ぼしかねない。
クロバエ(病原の運搬者)に対する脅威と嫌悪を水中に埋没させる、すなわち墓標である。
クロバエ(病原の運搬者)の滅亡を祈願する沈黙の儀式である。
写真は若林奮『飛葉と振動』展・図録より