
犬から出る水蒸気
犬から出る水蒸気とは? 呼吸あるいはエネルギー放射・・・。
犬でも人でも半分くらいは水分だと思う、ゆえに熱くなれば水蒸気が出るというのも頷ける。しかし、ことさら水蒸気が出ることを作品として提示する意図は何だろう。
生物の存在に不可欠なものは呼吸であり外気を取り入れ二酸化炭素を吐き出す。生命維持に必須の働きは犬でも人でも同じはずである。
水蒸気は見えるかもしれないが、すぐに空気の中に溶け込んで見えなくなる。あるいは水滴になる場合もある。
この作品は水蒸気を見える固体として鉄に置き換えている。とすれば泡状のものは浮力で上昇し、重りのようなものは下降(空気より重い)する液体だろうか。
『犬から出る水蒸気』は、気体・液体に分かれるという微妙な差異を図ったものであり、空中における上昇と下降、気体と液体(固体)の常に変化し続ける空気中のバランスを凝視したものかもしれず不可視な流動を可視化した実験ではないか。
写真は若林奮『飛葉と振動』展・図録より