1-1-1

 石である。
 上部に二本の交点を一つにした細い線状が引かれている。直線、即ち人類の原初の記憶、為せる線である。
 石に刻まれた凸と凹は、自然に最も近い人為である。

 これらは《原始》へのオマージュ、尊敬/敬意を表したものではないか。古への郷愁は古来から厳然として在る石という素材、あらかじめ用意された光景へ自分を刻んだものだと思われる。

 写真は若林奮 『飛葉と振動』展 カタログより