
早い夜明け、誰も通らない日曜日の朝、閑散とした棟続きの商店街には覚めない眠りの中に休んでいる人たちの吐息が潜んでいる。
しかし、商店街はむしろ日曜日こそ忙しいに違いない。《さあ、これから》の覇気は建屋からは見えないが、予兆、きざしを孕んだ街の静けさには不思議な見えない空気の揺らぎがある。
建屋の重さ、ひしめき合う窓。ドアも窓も閉ざされたまま、一つ一つの窓の中にはそれぞれの喜怒哀楽、生活がある。祭りのように展く店の有様、日常は途切れることはない。
早い日曜日の朝、活気溢れる時刻は迫っているが、ひと時の沈静を朝の光が照らしている。
写真は『HOPPER』画集より