すべての夜おそき飯はむ秋簾

 今夜も夜更けての帰還、わびしいねぇ、どうしてこうもずるずると遅くまで彷徨っていたのか。
 まったくの笑い種。

 ディナーを共にする相手もなくて・・・結局こんな時間まで、虚しい日々の繰り返し。笑いさざめく食卓を囲む日は来るだろうか、慟哭、心の中で泣いている。

 酷暑も収まり涼しい、いえ、冷たい風が吹き抜けていくというのに仕舞い忘れた簾のようなわたし。閉ざされた未来を押し開く、食は糧!遅れて晩い独りの食事。
 生きる、生きねばならないのだから。