
何故くしゃみをしない?・・・自分自身への問いである。
くしゃみ、生理作用をありのままに外に出したらどうだ!と言っている。
ドライヤー姉妹に贈ったものは、贈られて戸惑うような価値を見出すことが難しい品物(作品)である。小さなかごの中の152個の角砂糖型の大理石は一見すると軽量だが、その実したたかな重量に驚かされるというものであり、見かけと内実の差異である。
触ってごらん、触れてごらん、この秘められた内実は静かに暴露される。
イカの甲(死)は外に飛翔せんばかりだが、決してそうはならず《絶対》の定めには逆らえない。
しかし内在する温度計は外気に触れて脈々と動く(生命)のようである。
《矛盾》を肯定する。
総てを否定してもわたしの中の生理作用は生命あるものとして、この鳥かごを進呈する。これがわたしであることの証明である、と。
写真は『DUCHAMP』TASCHENより