
『お尋ね者/賞金2.000ドル』
お尋ね者、2.000ドルは捕まえる気が失せる金額である。それほどの奴だよと自分を笑っている。
顔写真は明らかにデュシャンその人、身長、体重、名前、外観 etc。またの名をRROSE SELAVYと記した自己表明。
《捕まえられるものなら捕まえて見なさい》という不敵な広告。
逆に言うと、《わたしはわたしであって誰でもないが、わたし自身である》と。
わたしの本性を見抜けるか、わたしを捕らえることが出来るか?という宣戦布告でもある。性の不一致、不確実性を捉えることは難しい。なぜなら(精神)という大きく見えない領域に問題の根源が潜んでいるからである。
平等・人権、声高らかに認め合うことが叫ばれている。
世の中の変遷、遠くない未来は出生率から推してアフリカ人が席巻するという。常識が非常識に変わる日も来るかもしれない。
写真は『DUCHAMP』TASCHENより