
『ボトル・ラック』
レディ・メイド:鉄に亜鉛メッキ
形は美しく安定もしている。この突起は当然ボトルの口を突き刺すものであり、空き瓶(使用後)を洗浄して乾燥させ、再利用のためだと思われる。
細い口の瓶の内部を清潔にするのは難しい。(広口瓶の場合は煮沸)
第一この突起の棒自体衛生的とは断言できず、全体細菌の繁殖は免れない。乾燥させれば衛生的というわけではなく、何らかの問題が生じてもおかしくない代物である。
こういう不完全な製品が販売されていることに不審を抱かない。納得できるような気のする製品であり、便利でもあると錯覚させる。販売側も購入者も抵抗がない。
ただ、確実に何らかの問題が生じることは想像に難くない。微妙である、口(体内)に入るものでなければ問題は生じないが、ボトルの多くは飲料水(酒など)であれば、ボトルは本来廃棄されるものであり、そのままの形を留めることはない。
この微妙な関係、有りそうで不都合が生じるまでまかり通る。どこに罪があるというのでもない。悪意なき不都合はやがて消滅するかもしれないが、不思議な哀愁がある。
無用になり下がった過去の遺物、役に立ちそうで不具合だった…見かけと実体の溝は埋められない。
『ボトル・ラック』はその象徴でもある。
写真は『DUCHAMP』TASCHENより