気持ちが高まる、興奮するのは、ファブリックを見る時で、木綿、絹布、麻、糸類・・・なんでも。
特に好きなのは古裂、時代や創った人のことを想うと胸が熱くなり、ずっと…何時間でも見惚れて他に手が付かないほどである。染色、織り、感触に酔ってしまう。
そうして、押し入れの中や棚には整理が難しいほど溜まっている。
ただ悲しいかな、積まれていく下に在るものを忘れてしまう。だからたまにひっくり返してみて懐かしい生地に遭遇すると、もう涙である。
趣味、頭に描く布地の活用は幻と化している。いつか、わたしが亡きあとには、噴飯ものとしか見られずごみ袋に捨てられていくに違いない。
こうして書き散らした文章も似たようなものかもしれない。でも、それでもいいと笑っている。