つまみたる夏諜トランプの厚さ

 そっとつまんだ夏蝶、目を奪われるような美しい羽根模様、自分は捕獲したという尊大な態度である。  しかしどうだろう、トランプの厚さに匹敵する世界、深さ、謎、不可解な攻略法に戸惑いを隠せない。

 対峙している、否、それ以上の怪しい不可解な世界が謎めく拡がっていることに気づく。
 夏蝶、この燃えるような季節に出会った彼女への想いはわたしの考えを根底からひっくり返す予感がする。

 ああ、夏よ、トランプよ、彼女の誘う雰囲気に眩暈を来しているわたくしである。