卒業は明日シャンプーを泡立たす
卒業は終了であると同時に始まりである。卒業は明日、明日に向けて髪を洗っている。
シャンプーを泡立たす、ということは(裸体)である。何もない裸一貫、これからの自分を鼓舞している、不測の未来に向かい旅立ちへの闘志をかき立てている。
明日からは今日までの自分ではない、卒業を果たし習得しえたスキルは何ほどのものか。無防備、この身体だけが頼りである。
祈りというよりは溢れる期待、指先までも明日からの自分に力を込めている。
決別…出会い。人生の岐路、よぎる不安を打ち消すようにシャンプーを泡立てている。