
白紙委任状、すべてはあなたに委ねます。
この作品を見て感じた通りが応えであり、主観もまた正しい。わたくし(マグリット)が空間を垂直な面(二次元)で切断できると密かにも進言するのと同じ次元において。
絶対という肯定は(不条理)を認めず、絶対の真理・物理の厳然は、精神界の解放を隠蔽する。
不条理は見えず、見えないが有ることを証明する手段に欠けている。
存在は見え隠れするという解釈で作品は肯定される。まさか、空間そのものを垂直な面で切っているとは思えない、なぜなら、その垂直な面はどこまでという限度を持たない。上空の途中で自然に戻るとしたら単に空想になり、実験の装置には至らない。
消えてなくなるという空間の襞、ポケット、負の空間は視覚の実験室(絵画・二次元)でのみ可能な証明論理である。
見えないものを見えるようにつなぎ合わせるデータの駆使は通用せず、空間そのものを切りとったことを認知すべき作品である。
写真は『DUCHAMP』TASCHENより