どんな花も枯れて朽ちていく、路傍の強健と思われる草花でさえ。
決定的な事実の前で人は逆らえない。
ラジオ体操仲間のSさんは毎日公園墓地を散歩し体操も欠かさない。健脚である、その人がわずか300mほど離れた会場に来ることを躊躇っている。三日も休むなんてありえないので尋ねてみると、現れたSさんは
「K病院へ行ったら何も悪いところはないって言われたよ、だから今日はT医院に行って紹介状もらって総合病院に行くつもりだ」と言った。
体重が10キロも落ちたという、もともと痩せているSさんの激やせ姿は確かに異常である。
畑で出来たものを分けていただく、大きなレモンも、菖蒲の花も・・・。
「オレ、十年は生きるから」と笑った。
年を重ねると、それぞれ不具合が生じてくる。宿命に逆らう術があれば教えてほしい。