『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』
鳥籠の入れられた152個の角砂糖型大理石、温度計、イカの甲。
ナンバード・エディッシャン、11.4×22×16㎝
並べて同じもの(152個の角砂糖型大理石)のなかの異物(イカの甲)が鳥かごという極めて狭小なエリア(空闇)に収まっている。不自然であり意味すら見いだせないが、偶然という大きな枠のなかではごく当たり前の景である。
全て無機物であり、過去の遺物である。
しかしその中にある温度計は、熱量の無いものには左右されることなく地球上のその場所の空気を測っている。
鳥かごはイカの甲が突き出ていることで分かるように開かれている、自由であり解放されている世界であるが、152個の角砂糖型の大理石もイカの甲も(意思/思考)が皆無なので活動は兆しは絶望的である。
この作品は寡黙な反逆である。世界の見方(見え方)への不信を密かにも明言している。
152個の角砂糖型の大理石もイカの甲も平等な存在であると。
温度計は、有るがままの世界(空気感)を図っている番人である。