昔から月を見るのが好きで、満月の夜にはベランダに出てぼんやり月をながめていました。
頻繁にライブを行っていた時期は、「絵のない絵本」をテーマに楽曲をつくりステージを展開しました。
「絵のない絵本」はアンデルセン作。
貧しい絵描きに、月が語って聞かせる世界の片隅に生きる人々の物語です。
満月の夜に旅に出て、外国で同じ満月を見上げた時の安心感。
いつも月が見てくれているような気がして、月を見ては心を洗い、呼吸を深め、私はその折々で自分自身を取り戻していたような気がします。
高じて、生まれた我が子に「月」が入る名前を付けました。
そして今夜、月を見上げました。
驚くほど、月の光が強いのです。
まぶしいほど輝いています。
かっと照らされた私は、少し慄いてしまいました。
このままでいいのかと問い詰められているような気がします。
昔ほど、優しく語りかけてくれない月。
私が年を重ねて受け止める力がなくなったのか、今宵の月が強すぎるのか。
明日は、満月です。