メールを開くと、
「弊社が音楽出版社として著作権管理をさせていただいております、
浜田真美様の音楽著作物につきまして、計算書送付先及び印税振込先につきまして
確認をさせていただきたく~」
と書かれていました。
なんだこれは!! 印税が支払われるのか?
と喜び、一瞬ホクっとした気分になりました。
私の知らない間に、本が売れたらしい。
でも待てよ。
差出人は、超有名なゲーム会社の製作部。
ゲームソフトやアーティストのCD、DVDなども出版している大手の会社です。
音楽出版?
しかも、真実の実の字が間違っているし。
私、ゲーム会社と仕事をした記憶が、ないんです。
いや、仕事はしたのだけれど、もしかしたら記憶がごっそり抜け落ちているのかも。
最近、自分の記憶力における信頼度が著しく低下しているので、ちょっと混乱しました。
なんだ、なんだ、新手の詐欺か!
危ないゾと思い、確認と興味本位で、メール内に記載されている電話番号に電話をしてみました。
ちゃんとつながる。
若い女性が応対していて、とても詐欺とは思えません。
「すみません、何の仕事に対する印税ですか?
私、心当たりがないんですが」
と尋ねると、「確認して折り返しご連絡します」とのこと。
翌日、届いたメールには、某有名なアニメの挿入歌の作詞に対する印税とのこと。
ない、ない。
そんなアニメ知らない。
作詞はするけれど、アニメのために書いた覚えはありません。
というので、調べてみたら、そのアニメの英語・フランス語バージョンの挿入歌の作詞者が
「Mami Hamada」。
ひぇ~~~!
中野在住の「Mami Hamada」は、英語もフランス語も途中で挫折しております。
どうやら、海外でご活躍の「Mami Hamada」さんのようです。
同姓同名なのか!
大手ゲーム会社さん、送付書が宛先不明で戻って来たので、ネットでサクサク検索して、
ヒットした「Mami Hamada」を鵜呑みにして、日本語オンリーの浜田真実に、印税支払いの
やり取りをメールされたようです。
1ミリの疑いも感じられない文面。
私が、両手をこすり合わせながら、「へいへい。私で間違いございやせん」と言ったら、
スルリとお支払いいただけたような雰囲気です。
こういう、逆詐欺みたいなものもあるのかもしれないなぁ。
「だって、向こうから連絡が来たんだし!」
と、開き直ってすっとボケられたら、おしまいだもの。
正直おばさんの私は、別人であるということをメールでお知らせしました。
「今後は同じことを繰り返さないよう、気を付けて参ります。
ご対応していただきありがとう御座いました。」
と、あっさりしたお返事。
後から、印税の額だけ聞いておけば良かったかなと、チラリと思いましたが、
聞かなくて正解ですね。
落ち込んで立ち直れなくなりそうだし。
でも、ちょっと楽しかったです。
「印税」 うっとりするほど、良い言葉だ……