1月7日、東京新聞・芸能覧のコラムに、お笑いコンビ・日本エレキテル連合の

中野聡子さんがコラムを書いている。

 

それによると、1年ほど前からスタッフが出す「カンペ(カンニングペーパー)

の文字が読めなくなったとのこと。

 

スタジオでは、テレビカメラの横にスタッフがいて、「次は〇〇の話をして

とか、「まとめに入って」などと、指示が書かれた紙が提示される。

 

出演者は、その紙を読みながら番組を進行をするのだが、中野さんは

視力が良いのに、カンペに書いてある文字が、「アラビア語のように

読めなくなってしまったというのだ。

 

当然、スタッフの指示に従えないし、ミスを連発する。

 

脂汗が止まらなくなったり、人の声が反響して聴こえたりする兆候も

あったという。

 

そんな自分を含めて笑って欲しい」と、中野さんは書いているのだが、

笑いを求めている場合ではないよ。

 

一刻も早く、病院に行って欲しい。

脳の病気の前兆かもしれないし。

 

昨年、叔母が脳梗塞で倒れた。

脳の言語をつかさどる部分にダメージがあったらしく、言葉を構築することが

出来なくなった。

 

叔母は、見舞いに行った私をちゃんと認識できていて、一生懸命に話かけて

くれるのだが、言葉は意味を持たない五十音の羅列。

 

まみちゃん、会えて嬉しい。

来てくれてありがとうね

 

と言っているような気がするのだが、叔母の口からこぼれてくる言葉は、

初めて聞く外国語のように意味をなさない。

 

叔母は、興奮してずっとずっと早口で話し続けている。

 

ごめん、お姉ちゃん、意味、わからんわ

 

混乱して、私は泣く。

叔母も、一緒に泣く。

 

見舞いに行って泣くなど、一番してはいけないことだと反省をしているが、

それでも少し前までは、当たり前に日本語を使ってコミュニケーションをとり

笑いあっていた人から、言葉を作る機能がごっそりと奪われたということの

衝撃は大きかった。

 

まみちゃん、じゃがいもの皮をむいてくれる?

は~い

 

上京した初日、叔母と交わした何気ない言葉。

とっくの昔に消え去っていった言葉だけれど、叔母の口から「まみちゃん

も、「じゃがいも」の発語も、もう聴くことはできない。

 

脳は、とても繊細だ。

ほんの少しのダメージでも、コミュニケーションの根幹が崩れることもある。

 

昨年は、義母も、大切な友人も、脳梗塞で倒れた。

 

幸いふたりとも、言語機能に障害は残らなかったが、それでも日常を

取り戻すまでは、長い長い時間がかかる。

 

突然襲ってくる病気には成す術などないけれど、大好きなお笑いを続ける

ためにも、穏やかな日常を過ごすためにも、心と身体を健やかに整えるのは、

大切なこと。

 

私は、まだまだ聴きたい声があるし、伝えたい言葉もある。

 

だから・・・

今日は、寝ます。

明日は、ちょっと遊びます。

 

では、おやすみなさい。

 

 
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