目黒の東京都庭園美術館では、明日25日まで、
フランスの現代美術家クリスチャン・ボルタンスキーの展覧会
「アニミタス-さざめく亡霊たち」が開催されている。
旧朝香宮邸が改装され、東京都の施設となり、現在は美術館として
一般公開されている。
アールデコの装飾が美しい洋館。
だが、入口には何故か狛犬が鎮座。
ガラケーで撮影する夫。
似たもの同士が、見つめ合っているように見える。
うん、似ている。
立派なお鼻ですな。
「この狛犬、意外に優しいことがわかったよ」
と、夫。
さすがだ。
意思疎通が可能らしい。
大丈夫か。
さて、アニミタスとは、小さな魂という意味があるのだそうで、「声」や「影」や
「風」を感じさせるような作品が館内に展示されている。
これは、「まなざし」という作品。
布の向こうを歩くのは、私。
プリントされた、大きな眼が、じっと私を見つめている。
「声だけの作品もあるんですよ!」
と、お誘いを受けて出かけたのだけれど、なるほど…
部屋に入ると、あちらこちらから人の声が、聴こえてくる。
「私のこと、憶えていますか?」
「もう、形もなくなってしまったようです」
詩を読むような、ささやきのような、文字通りさざめくたくさんの声たち。
ところがですよ。
私、普段から声を聴く習性があるものだから、意識がばっと立ち上がって
声を必要以上に聴きとってしまうのよ。
あれ?
なんだろう、落ち着かない。
もう少し口を動かした方が、滑舌が良くなるのに。
もっと、語りかけるように、声を前に出して。
イントネーションが、甘いなぁ。
いやいや、これはスピーカーの性能の問題かな?
などと、ザワザワしてくる。
このザワザワは、クリスチャン氏の狙いとはほど遠いザワザワだわね。
一種の職業病かも。
それにしても、不意に飛び込んでくる声って、思った以上に人体に
影響を与えるものなのだと再認識した次第。
アートのモチーフとして「声」を使うのなら、取り扱いには注意が必要
だと思ったよ。
さて、美術館の外に出ると、お庭にはこんなオブジェが。
日本庭園の茶室。
池には、さかさの樹と紅葉。
うん、美しい。
いくつものアニミタスと交流した、2016年、晴天のクリスマスイブ。
佳きかな。
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