以前、ミニまぐの記事にも書いたのですが、 本日は「」のお話です。

」という漢字は古代、「門」に「」 ではなく、「」でした。

門を閉じていても、隙間から月の光が 差し込んでいる様子。

もしくは、門の隙間から月が見えている様。

」が、はじまりの文字です。
」は、俗字なんですね。

それにしても、美しい・・・
なんという繊細な感性なんでしょう。

この「」は、私とあなたとの間にある 空間であり、距離です。

人と人との関係性とも解釈できますよね。

声は、この「」の中にあるもの。

空気を振動させて、見えない糸で 人と人とを結ぶもの。

心地よいコミュニケーションのためには、 この「」の取り方が大事です。


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ところで、 「真っ赤なりんご

この言葉を読むと、頭の中にリンゴの 映像が浮かびます。

文字を読んで、映像が浮かぶまでの時間は、 0.4秒。

0.4秒って、ちょっとわかりにくいですが、 ほんの一瞬という感じでしょうか。

これが言葉の、「」ですね。

朗読やスピーチだけでなく、普段の会話でも、 この「」は命です。

「間」は、相手がイメージするための時間。

「間」は、お互いの会話のリズム。


お芝居の世界などでは、この間が上手く 行かないことを、「間」が悪い。
つまり、「間抜け」と言います。

自分を見失い、相手の存在も忘れて ダラダラ話すと、調子が崩れて「間抜け」。

過剰に緊張して、狭い視野で呼吸が浅く、 早口で話すのも、言葉が走って「間抜け」。

自分のことだけ話し続けるのも、無反応に 聴く一方でも、「間」は抜けています。

「間」は、自分と相手を受け入れるための、 「ゆとり(隙間)」なんです。

「間」は、ふたりの間に差す月の光。

どうぞ、あなたと周囲の人たちとの「」 を感じながら、コミュニケーションを 楽しんでくださいね。

私も、まぬけにならないよう、 心がけて行きます。  

~あなたの毎日が、歓びと美しい響きに満ちて幸せでありますように~

(2015年10月14日配信メルマガ・呼吸の奇跡☆声の魔法より)


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