四国に上陸しました。
台風じゃなくて、私が。
今回の旅は、母の遺骨と一緒です。
母方の親族が暮らす愛媛県八幡浜市のお墓に、納骨に行くのです。
最初で最後の、母との二人旅。
「お母さん、ようやく戻って来れたよ」
遺骨に話しかけても返事はありませんが、何となくホッとしているような気がしました。
松山空港でのお出迎えは、宇和島の牛鬼。
あなたねぇ、なに、この大きさ!
首の長さも、形も、インパクト大です。
私の夫は、この牛鬼(うしおに・別名ぶーやれ)の大ファン。
写メを送ると、ひゃあひゃあ言って、歓んでいました。
人の好みってのは、わからんものです。
さてお腹が空いたので、まずは、JR松山駅に移動して、ひとりごはんをいただきます。
とろろそばをすすりながら、ふと目を上げると・・・
レ、レレ…、の、レモンうどん?!
うわ!しまったぁ~!!
こっちにすれば良かった。
絶対に、東京では出会えないであろう、レモンうどん。
うどんをすする時に、レモン、邪魔じゃないのか?
かじると、きっとひゃ~って、口が酸っぱくなるよね。
ビタミンCもたっぷりだろうけれど、温かくて、てんぷらも乗ってるゼ!
なんだろう、ヘルシーなふりしているけど、ヘルシーじゃない。
カオスなうどんだぁ~。
などと衝撃を受けつつ、とろろそば、ごちそうさま。
レモンうどんに後ろ髪ひかれつつ、八幡浜駅に向かうことにしました。
喪服に着替え、神妙な面持ちで特急を待っていると、
やってきた電車が、これ↓
え~~?
これに、乗るの?
と、ドギマギしつつ乗車。
え?こんなことになるの?
アンパンマンを後頭部にあてて、ばいきんまんとツーショット。
私、喪服なんですよね。
納骨に行くんですよ。
愛ある伊予鉄のアンパンマン列車のばいきんまん号に、偶然乗り合わせる私。喪服で。
もう、電車全体が、はひふへほ~!と叫んでいるようです。
これでもか!というほどの歓迎ぶりだな伊予鉄。
愛と勇気だけが友だちだもの。
両親が離婚して以来、まったく訪れることのなかった愛媛。
実に40数年振りの四国上陸ですが「まぁ、深刻になりなさんな」と、愉快な仲間たちが笑ってくれているようで心強いです。
そして、八幡浜駅に到着。
母の兄である伯父さんと再会しました。
「アンパンマンで来たの?」
「あ、はい、アンパンマンで」
40数年振りに再会した伯父さんとの会話は、まさかのアンパンマンはじまり。
ここが、親族の墓地です。
山の急斜面、みかん畑の中にあります。
そうそう、私、夏休みは近所の子どもたちと一緒に、毎日この海で泳いだんです。
溺れて死にかけましたけどね。
懐かしいなぁ。
伯父さんは、「なんも、おぼえとらん。生きるのに必死だったから」とひとこと。
そうですよね・・・
ほんと、その節は、お世話になりました。
ありがとうございます。
こうして立っているだけで、たくさんのことを思い出します。
伯父さん、ここが私の原風景だったんですね。
伯父さんは、もう80代。
亡くなった祖母に、そっくりのおじいさんになっていました。
とてもお元気で、さっさと山の斜面を登り、下って行かれます。
ヒールに喪服の私は、転ばないようについて行くのに精一杯。
汗だくになり、あちこちを蚊に刺され、せっかくアンパンマンからもらった元気も、一気に使い果たしてしまいました。
納骨、無事終了。
お母さん、良かったね。
ゆっくり休んで下さい。
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