「カーテンを開いて静かな木洩れ日の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる 全てのことはメッセージ」
松任谷由実さんの歌、「やさしさに包まれたなら」の歌詞です。
ねぇねぇ、木漏れ日ってキレイだよね。
私がたずねると、彼女は小さく首をかしげました。
木漏れ日を見たことがないと言うのです。
「雨上がりの庭で くちなしの香りの
やさしさに包まれたなら・・・」
ねぇ、くちなしの香りって、知ってる?
そうたずねても、彼女はわからないとこたえました。
父親からの暴力に怯える幼少期を過ごし、全ての感覚を閉ざして生きてきたのです。
何かにときめくことも、感動することも、好きだと感じる事も、気持ち良いとノビノビすることも
全て奪われて来ました。
彼女は今、歌うことから自分を取り戻そうとしています。
その声のエネルギーは、真っ直ぐで凛としていて、私の胸を強く打ちます。
私たちは、世界から受け取ったものしか、表現することができません。
彼女の世界には、これから一条の光がさし、やがて木漏れ日がきらめくことでしょう。
彼女が、これからどんな美しさを表現して行くのか。
私は、楽しみでしかたありません。
☆~あなたの新しい日々が、歓びと豊かな響きに満ちて、幸せでありますように~☆
(2015年6月29日発行・ミニマグより)
心と身体をつなぐボイストレーニング*マミィズボイススタイル(2015年6月29日発行・ミニマグより)
