子どもシェルターは、何等かの理由で、親元から離れた子どもたちが暮らす場所です。

長くても2ヶ月程の短期滞在型の施設ですが、その間に、法律・福祉・医療・ケアのエキスパートたちが、ひとりひとりの子どもに寄り添い、子どもの将来を共に考えて行きます。

私は、彼らの遊び担当。
彼らから要請があれば、出かけて行きボイストレーニングを行います。

夢、持って良いんだね

と、ある子が言いました。
夢みる事すら許されなかった子どもたちが、そこにはいました。

だけど、シェルターでさまざまな大人と出会ったことで、子どもの中に本来備わっている力が動き始めるのでしょう。

なりたい職業を見つけたり、憧れを語ったり、自分の中にある可能性に賭けてみようと立ち上がる姿は、美しい力に溢れています。

また、辛く苦しい体験の中で、夢を持ち、夢を支えにすることで、生きてこられたんだろうなという子どももいます。

「オレ、中卒だけど、海外で仕事をしたいから、英語、独学で勉強したんです。
スピーチやります!」

といって、見事な発音で英語のスピーチを聴かせてくれた子。

「私、作家になりたいんです」

と、びっしりと書き込まれたノートを、何冊も見せてくれた子。

歌手になりたいという子は、何曲も何曲も歌って聴かせてくれました。

彼らのモチベーションは、とてつもなく高いので、私は水先案内人をつとめながら、急流ツアーを一緒に楽しんでいる感じで、密度の濃いボイストレーニングの時間を過ごします。

かつての私も、「女優になりたい」という、途方もない夢を抱いて、家を飛び出しました。
夢は叶わなかったけれど、夢見る力が私を導き、ここまで生かしてくれました。

夢は叶えるということよりも、夢を見て夢を生きること、それ自体が、とても大切なことだったのだと今は思います。

夢は、自分の心の中に、そしてこれから行く先に、希望の光を灯します。
その光があれば、人は生きて行けます。


きっと、いくつになっても。



夢みる力は、自分の人生をひらき、自分の世界を変える力です。


心と身体をつなぐボイストレーニング*マミィズボイススタイル