結婚21年目にして、夫から
「あなたとの関係は、これから『遊び』にする」
と宣言された、私。
と宣言された、私。
あれから、一ヶ月と数日。
「遊び」や「楽しむ」「自由」などがキーワードの毎日なので、身も心も軽やかになり、夫と私の関係も、日々の流れも、サクサクとスムーズに楽しく展開して…
展開して…
いない。
してないっ!
そう簡単に、ことは進まない。
なんか私、物凄くギクシャクしている。
ちゃんと遊ばないと!
ちゃんと楽しまないと!
と思うあまりに、ぐっと歯をくいしばっていたりする。
夫に仕事の話を持ちかけては、はたと気づき
あぁ!これ、これは仕事じゃないからね。
遊びだから。
あくまでも、趣味の話だから。
と、慌てて念を押してみたり。
右手と右足を同時に出して、ナンバで歩き廻っているような、妙なぎこちなさがある。
仕事や収入を意識するより、本当に大好きなことを夢中ですれば良い。
自由に遊んでみれば良い。
ただ、それだけのことなのに。
遊んでしまって、すみません。
無駄な時間を過ごして、申し訳ありません。
自分のためにお金を使って、ごめんなさい。
楽しいことをしようとすると、自分の中から、いちいちいちいちそんな声が聴こえてくる。
何なの私は。
バカ真面目?
相当、面倒臭い。
人には、「遊びが大事」「無駄も必要」と、本気でそう思い、本気で伝えているのに、自分自身は例外だったのだろうか?
遊ぶことが苦手って、何が原因なんだろう…?
どうして私は、自分を自由に出来ないんだろう。
湯船につかりながら、そんなことをボンヤリと考えていたら、ふいに言葉が、ポロリと胸の奥に浮かび上がった。
「罪ほろぼし」
…えっ?
な、なに、なに?
今のなに?
なにホロボシ?
つみ…?
なんかしたっけ、私。
「あなたは、罪悪感のかたまりですね」
そういえば、20数年前に知り合った精神科の医師に言われた。
罪悪感のかたまり?
あぁ、そうか…
またそこに行きつくのか。
すっかり整理出来たつもりでいたんだけどなあ。
(つづく)