映画・ショートタームを観た。
虐待を受けた10代の子どもたちのケア施設が舞台。
児童虐待という暗くて重い題材を扱っているのに、闇の中に一条の光が差し込むような、とても上質なエンターティメントに仕上がっている。
ケアをする側の大人も、ケアを受ける側の子どもも、共に深い傷を抱え、戸惑い、混乱する弱い人間同士。
だからこそ手を取り合い、自分も他者も受け入れることで、しなやかにしたたかに強く生きられる。
人間の幸福は、寄り添いあえる人に出会えること。
製作者の眼差しの温かさが良いなぁ。
愛って、こういうことなんだろうなと感じられる、そんな作品。
私は、虐待を受けた10代の子どもたちのシェルターで、ケアのためのボイストレーニングを行なうこともあるし、縁あって、シェルターを描く映画の製作にも携わっている。
そのため、同じ題材を取り扱ったドキュメンタリーも数多く見たけれど、後味が重くて苦いものが多かったなぁ。
虐待がテーマだと、そんな描き方しかないのかなぁ・・・
と、残念に思っていたのだけれど、ショートタームは、あきらかに違った。
そうだよ!
映画や表現は、エンターティメント。
やはり観終わった後には、心の中に希望の火が灯るものでありたい。
こんな愛のあるエンターティメント作品が創りたかったんだよ。
と、あらためて感じた。
この映画は、おススメですよ!
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