NHKの番組「クローズアップ現代」や、今朝の東京新聞で、取り上げられていた問題です。

子どもの声がうるさい?!

保育所に入所できない待機児童数を減らすために、都市部では保育所が各地で建設されているそうです。

ところが、建設用地も足りません。

住宅街の真ん中に建てたり、公園を潰して建設する場合もあるようです。

静かな環境で暮らしていた住民は、突如、子どもたちのエネルギー溢れる声にさらされることになります。

近隣からの苦情に留まらず、騒音差し止めの訴訟が起きたケースもあるようです。

確かに、子どもの声は突き刺さるような強さを持っていますよね。

特に赤ちゃんの泣き声は、大人に危険や不快を知らせる役割があるために、かなり緊張感のある音質をしています。

子育て中のパパママは、ある程度は慣れている音声でも、病弱な人や高齢者には辛いはずです。

「子どもに声を出させるな」「子どもの姿を見せるな」

という苦情が、毎日寄せられる保育所もあるのだそうです。

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子どもは、地域の未来ですからね

と答えていたのは、自治会の世話役の男性。

その地域では、保育園建設に住民の強烈な反対運動が起こったそうです。

子どもは、声を出しながら成長して行く存在だ。  
地域から、子どもの姿や声を消してはいけない


そう感じた世話役の男性は、保育園と反対派住民との話し合い場を、徹底して設けたそうです。

絶対にいい保育園を作りたい

と情熱を持っていた保育園の園長は、住民の要望を、建設に細かく取り入れて行きました。

園庭を道路に面した場所に作らない。

近隣の住宅の日当たりを確保するために、建物を低くするなど・・・

1年近く話し合いを続けて、ようやく保育園は完成しました。

反対派だった住民も、納得して建設に応じた保育園です。

子どもたちを地域の一員として受け入れ、見守る立場に変わったそうです。

~~☆

静かにしていろ」「絶対に声を出すな

周囲の大人に、そう言われ続けて、発声や自己表現が困難になった人たちに、私はたくさん出会いました。

声を押し殺して生きる癖がつくことは、本当に悲しいことです。

健全な脳と身体の発育のためには、声を出して、のびのびと遊べる場が不可欠です。

いえ、子どもだけじゃなく、大人も。

地域との共生を探り続けた保育園の成功例のように、コミュニケーションをあきらめないこと。

ちゃんと要望を伝え、お互いが良い状態になれるように、交渉し続けること。

これが「鍵」だなと思います。

子どもの声は、確かにうるさい。

でも、子どもの声がある地域は、イキイキとして生命力にあふれています。

排除せず、共にある在り方を模索するのは豊かなコミュニケーションの基本です。

 ~あなたの毎日が、歓びと美しい響きに満ちて      
                    幸せでありますように~

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