インターネットコオロギ
って、ご存知ですか?

金沢工業大学・長尾隆司教授の人間の情動に関する実験です。

コオロギを、ふたつのガラスの箱に入れて飼育します。
ひとつの巣箱は、集団。
もうひとつの巣箱は、隔離。
つまり一匹だけです。

隔離されているコオロギは、別の集団の情報が、視覚や聴覚などから得られます。

けれど、空間を共有することや触ることは出来ません

この隔離飼育のコウロギと、集団飼育のコオロギを同じ空間で向い合せます。

通常コウロギ同士の闘いは、にらみ合い、相手が逃げたら終わり。
2~3分程度です。

ところが隔離状態のコオロギは、ありえないくらいに、狂暴化するのだそうです。

相手が、逃げても傷付いても平気。

なんと、一時間にも及ぶ攻撃を続け、死に至らしめるそうです。

長尾教授は、この隔離状態のコオロギを「インターネットコオロギ」と名付けました。

◆◆◆

情報だけは充分に与えられるのに、触れ合えない。
同じ空間を共有しない。

人間の世界で、そんなコミュニケーションが成立し始めたのは、ほんの100年くらい前からでしょうか。

電話が登場し、一家に一台の時代になり、そして、パソコンにスマホ。

私たちの空間は、他者からどんどん切り離されて来たようです。

便利になる一方、コミュニケーション能力に困難を抱える人が増えるのも、無理のないことなのかもしれません。

でも、人間はひとりでは生きて行けません。

同じ空間を共有し、声をかけあうことなしに、私たちの幸せな人間関係はあり得ないはずです。

人と関わることから逃げない。
きっと、それが大事ですよね。

それと!
もうひとつ面白い実験があります。

コオロギのエサを、贅沢から貧乏まで5段階に分けるのだそうです。
贅沢は、きゅうりなどの野菜が豊富。
貧乏は、適当な飼料が少々という設定です。

環境も良く、エサも交尾の相手も潤沢なコオロギは、飛べなくなるのだそうですよ。

つまり、生きる能力が低下するということ。
そして

(1)常に贅沢
(2)基本的に贅沢だが、たまに貧乏
(3)贅沢と貧乏が半々
(4)基本的に貧乏だが、たまに贅沢
(5)常に貧乏

の5つのグループに分けた場合、どのグループが最も生きる能力が高く育ったか・・・

それは、(4)なのだそうです。

なんだか、妙にほっとした私。

基本的に貧乏だけど、たまに贅沢を楽しみつつ、人とちゃんと関わって生きる。

これが、逞しく生きるコツですね。

 ~あなたの毎日が、   
歓びと美しい響きに満ちて      
幸せでありますように~

コオロギに学ぶ攻撃性脳内分子機構 

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