ギャップを魅力に。9等身の昭和な若者の声
さて本日のききみみは、若手俳優さん。
NHK朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」で、主人公の夫を演じている長身の彼。
東出昌大さんです。
◆◆◆
パリコレにも出演した、モデル出身の東出さん。
身長189㎝の26歳です。
背の高い人は、身体全体のつくりも大きいので、声帯も長くなります。
すると声は、太く低くなるんです。
ところが、東出さんの声はとても繊細。
鼻にかかった、かなり個性的な声です。
体格と声に、ギャップを感じるんですよね。
そこでプロフィールの全身写真を観てみると、なるほど・・・
さすがモデル。
首から上が、とっても小さいんです。
鼻も高いので、鼻腔(鼻の奥の空洞)も広いのかも。
そして、ちょっと鼻炎気味かなぁ・・・
アゴの小ささや、舌の厚みも作用して、何だか、上半身にキュッと濃縮されたような声です。
◆◆◆
初めて東出さんの声を聴いた時、俳優さんの声じゃないなと感じました。
まだ、演技の経験が少ないこともあったのでしょう。
時折、呼吸がとても浅くなりますし、胸に力が入り、声が上ずって震えます。
滑舌も甘い。
ところがその不安定さが、演じている役に、妙なリアル感を与えているのです。
居場所を探しながら社会を漂う、若者の寂しさや不器用さが表現されています。
真面目で誠実だけど、少しピントがずれている、可笑し味のある雰囲気も出せます。
達者な若手の俳優が多い中で、良い意味での素人っぽさも際立っていますしね。
そんなアンバランスさが、東出さんの魅力になっていることは、間違いないと思います。
◆◆◆
そして、もうひとつ。
小津安二郎監督作品などの、古い日本映画で聴くことの出来る声。
平たく、パラパラっとしゃべる感じ。
東出さんの声は、そんな「昭和な日本の声」を連想させます。
インタビューでも、高校生の役でも、なぜか東出さんのところだけ、セピアカラーの昭和。
若者なのに、懐かしい人。
9等身のモデル体型なのに、昭和なお兄さん。
東出さんの声の質が、他の誰のものでもない独特の個性をつくり出すのに役立っています。
こういうギャップって、一旦認知されると強いですよね。
~☆
きっと、繊細で真面目な人なんでしょうね。
だから他人とは、少し距離を置いて付き合いたいと感じている、かな。
そのかわり、一旦心を開いたら、絶対的な信頼を寄せる人なのでしょうね。
私の勝手な推察ですが。
ところで、「良い意味での素人っぽさ」というのは、別の言い方をすると新鮮味。
これがなくなると、だんだん芸能界色に染まって、魅力が乏しくなります。
どんな仕事でもそうですが、仕事の質が、慣れた「作業」になってしまうと、まずいですよね。
いかに、この新鮮味を維持するかが課題です。
これからの、東出さんのご活躍を祈りながら、
10年後の声の変化を楽しみにしていたいと思います。
あなたも、ききみみを立てて、東出昌大さんの声を、よ~く聴いてみてくださいね。
さて本日のききみみは、若手俳優さん。
NHK朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」で、主人公の夫を演じている長身の彼。
東出昌大さんです。
◆◆◆
パリコレにも出演した、モデル出身の東出さん。
身長189㎝の26歳です。
背の高い人は、身体全体のつくりも大きいので、声帯も長くなります。
すると声は、太く低くなるんです。
ところが、東出さんの声はとても繊細。
鼻にかかった、かなり個性的な声です。
体格と声に、ギャップを感じるんですよね。
そこでプロフィールの全身写真を観てみると、なるほど・・・
さすがモデル。
首から上が、とっても小さいんです。
鼻も高いので、鼻腔(鼻の奥の空洞)も広いのかも。
そして、ちょっと鼻炎気味かなぁ・・・
アゴの小ささや、舌の厚みも作用して、何だか、上半身にキュッと濃縮されたような声です。
◆◆◆
初めて東出さんの声を聴いた時、俳優さんの声じゃないなと感じました。
まだ、演技の経験が少ないこともあったのでしょう。
時折、呼吸がとても浅くなりますし、胸に力が入り、声が上ずって震えます。
滑舌も甘い。
ところがその不安定さが、演じている役に、妙なリアル感を与えているのです。
居場所を探しながら社会を漂う、若者の寂しさや不器用さが表現されています。
真面目で誠実だけど、少しピントがずれている、可笑し味のある雰囲気も出せます。
達者な若手の俳優が多い中で、良い意味での素人っぽさも際立っていますしね。
そんなアンバランスさが、東出さんの魅力になっていることは、間違いないと思います。
◆◆◆
そして、もうひとつ。
小津安二郎監督作品などの、古い日本映画で聴くことの出来る声。
平たく、パラパラっとしゃべる感じ。
東出さんの声は、そんな「昭和な日本の声」を連想させます。
インタビューでも、高校生の役でも、なぜか東出さんのところだけ、セピアカラーの昭和。
若者なのに、懐かしい人。
9等身のモデル体型なのに、昭和なお兄さん。
東出さんの声の質が、他の誰のものでもない独特の個性をつくり出すのに役立っています。
こういうギャップって、一旦認知されると強いですよね。
~☆
きっと、繊細で真面目な人なんでしょうね。
だから他人とは、少し距離を置いて付き合いたいと感じている、かな。
そのかわり、一旦心を開いたら、絶対的な信頼を寄せる人なのでしょうね。
私の勝手な推察ですが。
ところで、「良い意味での素人っぽさ」というのは、別の言い方をすると新鮮味。
これがなくなると、だんだん芸能界色に染まって、魅力が乏しくなります。
どんな仕事でもそうですが、仕事の質が、慣れた「作業」になってしまうと、まずいですよね。
いかに、この新鮮味を維持するかが課題です。
これからの、東出さんのご活躍を祈りながら、
10年後の声の変化を楽しみにしていたいと思います。
あなたも、ききみみを立てて、東出昌大さんの声を、よ~く聴いてみてくださいね。